光線療法での処置後の肌はどうなるのでしょうか?
光線療法の目的は、皮膚細胞の増殖を抑え、根本的な皮膚の炎症を治療することです。光線療法では、皮膚に紫外線を当てることでこの治療が施されます。以下を含むいくつかの皮膚疾患の治療に用いることができます。
- 湿疹(皮膚が赤くかゆみがある)
- 乾癬(鱗屑で覆われた紅色丘疹)
- 白斑(一部の皮膚の色が失われること)
- 皮膚T細胞性リンパ腫(紅斑として現れるリンパ腫の一種)
- 扁平苔癬(皮膚上の小さな隆起した発疹)
紫外線とは何ですか?
電磁スペクトルの一部である紫外線(UV)にはさまざまな種類があります。太陽は紫外線を発し、それが地球に到達します。紫外線を体が浴びることによって、生存に不可欠なビタミンDが生成されます。
光線療法で用いられる紫外線は、太陽から放出される光と同種のものです。皮膚科医は、皮膚が損傷しないよう、光の強度を制御し、皮膚の紫外線への照射時間を監視します。
光線療法の効果はどのくらいですか?
自然光は、皮膚の炎症反応を抑え、皮膚疾患の症状を改善するのに役立ちます。UVAとUVB の両方の波長は、皮膚疾患の治療に用いられます。
紫外線は免疫システムに効果をもたらします。実際、皮膚のT細胞の数が減少するようです。本細胞は炎症反応に関与しており、皮膚疾患に対して重要な働きをすることがわかっています。当該細胞の数が減少すると、炎症が軽減され、それに伴う症状が改善されます。
光線療法を数週間定期的に行うと、徐々に症状が改善してきます。治療は週に2~3回、12~16週間行われます。治療は最初は30秒間、最長約15分間行われます。
もちろん、治療は患者によって異なり、治療がどの程度耐えられるかによります。治療を継続していくと、かゆみが軽減され、皮膚の問題が徐々に解消されます。光線療法は、皮膚が綺麗、またはほぼ綺麗になり、かゆみが改善されるまで最大数週間続けて行われます。
光線療法治療は、各患者に処方された療法を施した後、終了します。その効果を最大限に高めるためには、患者が治療を休まないことがとても大切になってきます。
光線療法時に何を期待するか?
患者は治療中の皮膚を覆っている衣服を脱ぐように指示されます。治療の必要のない部位は、照射されないよう覆って保護します。
光線療法時の安全に関する心得:
- 男性の場合は性器を覆ってください。
- 女性の場合は、乳首や乳輪に日焼け止め剤を塗布してください。
- 唇、首、手を保護するために日焼け止め剤を塗布してください。
- 紫外線から目を守るために、特殊眼鏡やゴーグルを着用してください。
- 現在服用している薬剤がある場合は、必ず医師にお伝えください。薬剤の中には副作用のリスクが高くなる恐れがあります。
光線療法にはどのような機器が用いられますか?
卓上型の光線療法ランプから、より広範囲に光を放射する手持ち型の光線療法ランプまでお選びいただけます。頭皮乾癬の治療を容易にするヘアブラシを取り付けられるバージョンもあります。
光線療法で処置した後の肌はどうなるのでしょうか?
光線療法後は以下の効果が期待できます。
- 既存の病変を改善
- 新出病変を抑制
- 疾患進行をほぼ完全に抑制
ほかの治療法と同様、これらの効果は患者によってさまざまで、ほとんどの場合維持療法が必要となる場合があります。
また、光線療法は安全であると考えられていますが、治療直後に次のような副作用がする可能性があります。
- 皮膚のかゆみ、発赤、圧痛
- 軽度の灼熱感または刺すような感じ
- 皮膚のしみ
各治療後、皮膚は少しピンク色または赤くなります。この状態になるのが望ましく、副作用とはみなされません。
最後に、光療法はさまざまな副作用を起こすことなく、皮膚疾患を効果的に治療するために使用できますが、すべての方に適しているわけではありません。妊娠中または授乳中、また皮膚がんの家族歴がある、あるいは肝疾患や全身性エリテマトーデスのある方は、光線療法を受けても効果がない場合があります。