光線療法は何を治療するのに使うのか?
光線療法は、太陽光とは異なる種類の光を利用する治療法です。ヘリオセラピーまたは光線療法としても知られています。皮膚科医師の見解では、光線療法は正しく用いれば安全であるということです。
一部の皮膚疾患は光線療法で治療される場合もあります。この治療では、一定時間紫外線(UV)ライトを皮膚に照射します。ソラレンという薬剤と併用する場合は、PUVA(プーバ:ソラレン(Psoralen)UVA)療法と呼ばれています。
UVライトを浴びると、皮膚の免疫細胞の反応が抑制されます。UVライトは、免疫システムの過剰反応によって引き起こされる皮膚疾患に効果があります。光線療法で治療する皮膚疾患には、湿疹、乾癬、白斑などがあります。
UVライトと季節性情動障害季節性情動障害(SAD)は、
毎年ほぼ同じ時期に発症します。通常、晩秋の頃から発症し、春頃になると治まります。自然光が不足すると、うつ病になる可能性が高くなります。季節性情動障害(SAD)の症状には、主に過食、疲労、イライラ感、手足が重く感じる、眠気などがあります。
科学者たちは、SAD患者に光線療法が患者の気分にどのような効果をもたらすかをまだ完全には把握していません。但し、ある研究では、明るい光は、1日の概日リズムを制御する脳の体内時計を活性化させることが認められています。その脳内時計の役割の1つは、気分を管理することです。
光線療法はどんな効果があるの?
光線療法では、太陽光にも含まれるUVライトを使用しています。また、特定の皮膚症状の治療に皮膚に塗布する薬剤と併用して使用することもできます。
光線療法は、体の特定の部位に施すこともできますし、また皮膚の 5% 以上が影響を受ける場合には全身に施すこともできます。
UVBの光線療法はさらに、ブロードバンドとナローバンドの 2 つのタイプに分類されます。
UVB光線療法はさらに、ブロードバンドとナローバンドの 2 つのタイプに分類されます。違いは、ナローバンド UVB は幅の狭い波長域 UV 光の照射です。
ソラレン長波長紫外線(UVA)= (PUVA:プーバ)
このタイプの光線療法では、UVAライトと、皮膚が光に対して敏感になるようにプソラレンという経口薬を服用します。
光線療法設備
光線療法設備には、ナローバンドUVBランプ、パネルラジエーター、全身用キャビン、全身用パネルなどがあります。
光線治療用ランプは小型であるため、患部のない皮膚への不必要な照射を避けることができますが、重なり合う部位への過剰照射や 照射不足に注意する必要があります。
パネルラジエーターは、手掌および足底の皮膚の治療に使用されます。
全身キャビンには長さ1800mmの蛍光灯が設置されており、反射する金属面の前に壁が並んでいるため、照射線量の均一性が高く、治療効率が高くなります。
キャリブレーション及び線量計試験は、線量計算及び患者の指定されている放射を用いて行われます。これらの値は、一定の間隔でUV装置による照射量を定めるのに重要です。患者に照射する全身キャビネット内の平均紫外放射は、患者に対する指定放射照度 (DPI) と呼ばれ、体の12部位で後部、前部、および両側の位置で放射照度を測定します。
光線療法で期待できること
皮膚疾患の改善が見られるようになるには、光線療法による地道な治療を1~2ヵ月は続ける必要があります。